「学歴社会」という言葉を聞かれて、どのような印象を持たれていますか?
あくまでも建前なのかもしれませんが、「人を“学歴”で判断するのはよくない」というネガティヴな意見をよく耳にします。
しかしながら、自分の子どもが将来「自立した一人の人間」として生きていかなくてはならない、また子どもに「よりよい生活をしてほしい」という視点から考えたとしたら、いかがでしょう?
世の中には様々な職業があり、学歴とは全く無縁の職種で暮らしている方もみえます。将来、確実にそのような仕事に就かせたい、あるいは学問とは距離を置きたい、という方々にとっては、残念ながら弊塾はあまりお役に立てないかもしれません。
一方で多くの方々は、一般企業に勤めたり、筆記の試験によって得た資格をもって仕事をし、生計を立てています。
例えば「会社勤め」だけに話を絞ってみましょう。いわゆる大企業と言われる名の知れた会社は、入社を希望する学生たちに「エントリーシート」すなわち履歴や志望動機などを書かせたものを提出させる訳ですが、採用側は建前では「大学だけで選考しない」と言いつつ、実際は大学の名前だけでふるいにかけています。(しがない弊塾におきましても、チューター採用の際、どうしても学歴は重要な材料にせざるを得ません。)
つまり、「学歴社会」を好む好まざるに関係なく、この国の制度を根幹から覆すほどの力でもない限り、自らが志望する仕事に就くために、または選択肢を多くするために、基本的に受け入れざるを得ない、ということは、上記の一例だけでも分かっていただけるでしょう。
では、よい大学に入るためにはどのような準備が必要なのでしょうか?そう、そこで強くお勧めしたいのが「中学受験」なのです!
これはあくまでも私見ですが、中高一貫教育の最大のメリットは、カリキュラムにあると思っています。進学校と呼ばれる学校では、中1~高3までの本来6年間で行う内容を、高2までで終わらせ、高3の1年間を「大学受験対策」に充てることができます。
さらに、この6年間、各教科とも基本的に同じ先生が責任をもって指導してくれるために、一貫した指導方針に従って学習を進めることができます。(ちなみに余談ですが、現滝学園校長は、私が中1・高2時の学級担任で、6年間数学を教えていただきました。)
この「1年間の猶予」と「6年間の継続性」があるからこそ、中学受験時には「偏差値40前後」だった学校からも東大・京大・国公立医学部・・・といった名だたる名門大学への合格者が出ており、「上位校」と言われる学校であれば言わずもがな、となっているのでしょう。
この「大いなる時間的優位性」を得られるかどうか、その勝負はもう既に小学生の時から始まっているのです。
とにかく
「準備」は早めに、早めに・・・それが自らも体験し、長年携わってきた
「中学受験」から学んだ大きな財産にもなっています。
【勉強そのものの意義について】 塾生からよくこんな質問を受けることがあります。
「なんで勉強しなければならないの?」
結論から先に言いましょう。「将来必ず役に立つから」です。
教科別に簡単にまとめてみましょう。
・国語→「国語」とは「日本語」のこと。日本語を理解することによって、物事を正しくとらえ、コミュニケーションも円滑に進められるようになる。
・算数→正答まで早く正確にたどりつける能力を会得することによって、目標が決まっている仕事に対しての作業を迅速かつ適確にこなせるようになる。
・理科→身の回りで起こっている様々な現象について、科学的にとらえられる能力を身につけることによって、正しく理解できるようになる。
・社会→正に自らが所属している「社会」のしくみや成り立ちを学ぶことによって、アイデンティティが芽生え、今後の言動の指針が定まる。
更に中高生になると、例えばこんな質問をしてきます。
「今やってる数学って絶対将来使わないよね?」
本当にそうでしょうか?例えば私は「ある案件を文章化してホームページに掲載してほしい」という依頼を受けた時、頭の中で「因数分解」をイメージしました。また合格に向けての授業スケジュールを組み立てる時は、「ベクトル」をイメージします。他にもコロナ禍の時、感染者数推移のグラフをよく目にしましたが、その増減傾向は「微分」で処理することでしょうし、感染者総数は「積分」で処理することでしょう。
たとえ直接使わないとしても、それらを理解しているかいないかで、人生のあらゆる局面において、見えてくるものと対応力が変わってくるのだろう、と思います。
とはいえ、我々塾講師という立場の人間には、今述べてきたこと以上に「塾生の志望校合格」を強く求められます。
正直以前は、中学受験において(特に理科・社会で)「暗記力」だけが試されるような問題も多く、本当に「将来の役に立つ」のか疑問に思いながら、「合格させるためだけ」に授業をしていたこともありました。
しかし最近では、どの学校においても、単なる知識だけに頼らない「思考力」が求められる問題が増加し、教える側からしても納得できる内容へと変貌してきました。
そこで朝日では、個人塾という強みを最大限に生かし、使用するテキストの枠組み(そもそも各教科がそれぞれ同じ単元数・ページ数になるわけがない)にとらわれず、柔軟な対応によって、「将来役に立つ学習」と「志望校合格」の両立を目指す適確な道筋を立てることを念頭に置いて、スケジュールを組み、授業を進めています。
一方、塾生にとっては、人生において最も吸収力が高い時期に、有意義な時間を過ごすことができます。「小学生なのに勉強させて可哀想」という意見も聞きますが、むしろ逆に「小学生の内に勉強できるのは幸せだ」という思いは、自らの実体験を通じても、確固たる信念として持っています。
犬山校校長(就任予定) 細川貴幸