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2025/10/11

冬休み、何を読む?

『あしたのために』2025年 第19号

──冬休み、何を読む?──

【2009年12月号より】


正月は家でのんびり過ごせるといっても、一日中テレビやゲームに明け暮れるだけでは味気ない。
せっかくの時間、少しは読書の時間を設けてみてはどうだろう。

今回は、私がこの秋、深夜に安ワインをちびちび飲みながら読んだ本を紹介する。
ただし受験が迫っている面々は、今は読む余裕などないはず。入試が終わってからにしよう。


『天平の甍』(井上靖) 評価:40点

天平五年、第九次遣唐使として唐に渡った普照・栄叡は、鑑真来日実現に向けて苦慮する。
仏教に縁のない私には共感しがたい内容だったが、元新聞記者ならではの取材力と写実性は見事。


『華麗なる一族』(山崎豊子) 評価:60点

阪神銀行頭取・万俵大介と長男・鉄平の確執を描く。
セレブな世界とは無縁ゆえ実感は湧かないが、これだけの大作をまとめ上げる創作意欲には脱帽。


『官僚たちの夏』(城山三郎) 評価:50点

実在の官僚をモデルにした通産省人事の物語。
ただし人物描写がやや浅く、時間の流れにも厚みが欲しかった。


『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦) 評価:80点

京都を舞台に、奇想天外な夜を駆け抜ける青春奇譚。
「黒髪の乙女」の可憐さにすっかり魅了された。万能のおまじない「なむなむ」が最高。


『汝の名』(明野照葉) 評価:70点

女性の嫉妬心をテーマにした心理サスペンス。
内容は既視感があるものの、感情の揺らぎを描く筆致は鮮烈。


『殺戮にいたる病』(我孫子武丸) 評価:75点

グロテスクな描写に一瞬ためらうが、最後の1ページですべてが覆る。
映像では表現し得ない、まさに小説の醍醐味を味わえる一冊。


『ゴドルフィンの末裔』(永橋流介) 評価:80点

青葉賞を圧勝した名馬の血統をめぐる競馬ミステリー。
競馬ファンなら一気読み必至。日本産馬の未来に夢を託したくなる。


『玻璃の天』(北村薫) 評価:70点

昭和初期を舞台にした女学生と女性運転手の推理譚。
シリーズの中でも「幻の橋」「玻璃の天」は特に秀逸。静謐で上品な余韻が残る。


『向日葵の咲かない夏』(道尾秀介) 評価:75点

少年の死体消失事件を軸にした異色ミステリー。
子どもの視点に無理はあるが、全体の構成は巧妙。背筋が少し寒くなる。


『ソウルケイジ』(誉田哲也) 評価:70点

「姫川玲子シリーズ」第2弾。
直感型の姫川と論理派の日下、対照的な二人のバランスが見事。シリーズを通して読むとより深い。


『町長選挙』(奥田英朗) 評価:80点

破天荒な精神科医・伊良部シリーズ第3弾。
ナベツネやホリエモンを思わせる実在モデルも登場し、笑いの中に社会風刺が光る。


『陰の季節』(横山秀夫) 評価:70点

警察内部を舞台にした短編集。
人間臭い登場人物たちを通して、「組織とは何か」を考えさせられる。


『毒猿 新宿鮫Ⅱ』(大沢在昌) 評価:85点

殺し屋・毒猿の復讐劇。シリーズ屈指の完成度。
アクションの疾走感、硬派な筆致、まさにハードボイルドの真骨頂。


『陽気なギャングの日常と襲撃』(伊坂幸太郎) 評価:50点

奇抜な発想は健在だが、今回はやや軽い。
シリーズの勢いが少し空回り気味。


『むかし僕が死んだ家』(東野圭吾) 評価:75点

タイトルに完全に騙される構成。
じわじわと迫る不穏さと、終盤の心理的恐怖が絶妙。さすが東野圭吾。


『カーテン』(アガサ・クリスティ) 評価:75点

名探偵ポワロ、衝撃の最終作。
ドラマで全話見ていた私も、この結末には言葉を失った。
「まさか、あのポワロが……」──そんな衝撃。


【2025年の細川より】

先日、第168回直木賞受賞作『地図と拳』(小川哲)を読了しました。

1899年から1955年までの満州が舞台となる、史実に基づいたフィクションですが、主役級の登場人物の名が「細川」(笑)。自分がこうと決めたら、頑として譲らない人物設定で、感情移入しちゃいました。
 

読書は、単に知識を増やすためだけのものではありません。
想像力を働かせて、視野を広げ、自分とは違う価値観に触れる行為です。

「答えのない問い」と出会うために、読書をしてみてはいかがでしょうか。

試験に必要な「正解を出す力」だけでなく、
人生に必要な「考え続ける力」を育てられるかもしれませんよ。
 
なーんて言いつつ、最近は『ファイナルファンタジータクティクス - イヴァリース クロニクルズ』にハマってしまい、なかなか読書の時間を作れない細川でした。(一応今は『サピエンス全史』を読み始めていますが…。)

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